カプコンVSコーエーの特許侵害訴訟を読む(1)
1.事件の概要
カプコンがコーエーを特許侵害で訴えており、12月15日に最高裁による判断が下されたようです(※1)。これにより、コーエー側は、約1億4000万円の賠償金を支払わなければなりません。
判決文によると、コーエー側の「真・三国無双」「戦国無双」及び「零」シリーズの製品が2件の特許を侵害しているため、約1億3000万と約1500万の損害額が認められたようです。
2.まとめ
私の知る限り、特許権に基づく侵害主張は当事者間の交渉で決着がつく事が多く、裁判所の判断が下されるケースは非常に限られています。特に本件はゲームに関連する特許ということで発明の内容が直感的に理解しやすため、勉強用にもってこいだと感じます。
次回の更新では、どんな内容の特許なのか紹介したいと思います。
それではノシ
※1
DOAのMODに関する著作権侵害について
1. 事件の概要
コーエーの発表(*1)を見ると、被疑者は「キャラクターの被服を削除する等の改変を加えた内容を DVD に録画して、オークションサイトで販売」していたそうだ。
対象となった動画は、DOAシリーズのゲーム内のシーンをMODで改変したものらしい。MODとは、ユーザによって作成された改造データのことを指し、DOAシリーズのみならず、マインクラフトやバイオハザード等のその他の著名なゲームでも用いられている。(DOAシリーズの場合は、特にいかがわしい目的で利用されている…。)
2.感想
なんとも大胆不敵な被疑者である。そもそもMODの使用自体が著作権(同一性保持権)の侵害に当たる可能性は極めて高く、今のところメーカーからは見逃してもらっている、というのが現状だろう。
私の知る限り、逮捕や書類送検された例は少なく(というか知らない)、ユーザへの警告どまりだったのだが、書類送検されたのには二つの大きな要因があると思う。
まず、第1の要因は営利目的であるということ。この点は改めて指摘するまでも無いだろうが、多くのメーカは営利目的か私的使用かという点を判断基準にしているように思う。ユーザが個人的に楽しむ分には、あまり口出しをしないというのが通例だ。
第2に、これは特に推測だが、DVDを媒体にした点が大きいだろう。こういった電子データによる著作権侵害を訴えようとした場合は侵害者の特定が困難である、ということが大きな壁になる。しかし、今回の事件においてはDVDが販売されていたという点から、侵害者の居住所が簡単に特定できたのではないだろうか。(こんな侵害者ばかりなら楽なのに。)
以上である。まあ、いちユーザ達がこっそり楽しむ分には書類送検までされないだろう。
第3 おまけ
コーエーの発表の中で、上記の被疑者の行為が「著作権(複製権)の侵害」に当たると述べられている一方で、MODの使用に対する同一性保持権の侵害には言及されていない。もし、MODについても言及されていたら、MODの違法性が明確になっていただろう。
深読みかもしれないが、コーエーは、こっそり楽しむユーザを見逃す為にMODと同一性保持権については述べず、複製権についてのみ言及したのかもしれない…。
*1 https://www.koeitecmo.co.jp/news/docs/news_20210106.pdf
店名公表はリンチ(私刑)では?
1.コロナ対策としての店名公表
朝日新聞によれば、「都道府県知事が宣言時に行う休業や営業時間短縮の要請に応じない飲食店の店名を公表できるよう、関係政令を改正する方向で調整に入った」そうだ(*1)
以前より、大阪府や神奈川県等の一部の都道府県において、自粛要請に応じないパチンコ店などの店名を公表するという措置が暫定的に取られたが、今回は本措置を適法とするように政令を改正するようだ。・
2.この国やばくないか?(僕の感想です)
そもそも、自粛要請に従わせたいのであれば、自粛可能な体制(補助金等)を国が提供するべきで、その上で従わない場合には国が法律の下で刑罰をあたえるべきだろう。体制の提供が出来ないのであれば、飲食店パチンコ店の従業員にも生活があるのだから、自粛要請なんて出すべきでない。
万歩譲って体制の提供が出来ないまま自粛要請を出さざるを得ないような状況であれば、国民の反発を承知の上で、国が法による刑罰を持って自粛させるべきだろう。この場合、当然反発はあるだろうが、その反発と折り合いをつけながら着地点を探すべきだ。
店名公表の何が一番やばいって、店に自粛させる為の制裁に国民を加担させてることだと僕は思う。
そもそも、店名公表しただけでは店は絶対に自粛しないだろう。すなわち、公表された店名を見た国民が、店に制裁を加えることで、自粛が行われる。(ここでの制裁とは、店の今後の利用を控えるという消極的な行為も含むが、当然、店への誹謗中傷などの積極的な行為も含む(*2))。つまり、店名公表は、初めから私刑(リンチ)の存在を前提とする自粛要請としか思えない。
こんなのは、直接刑罰を下すと国民が反発するから、国民をギロチン代わりにして飲食店等を自粛させようとしているに過ぎない。この場合、国は、飲食店を強制的に自粛させたわけでもないので(直接的な行為は店名を公表しただけ)、自粛に対する責任から逃れられるため、極めて無責任である。更に、国民の制裁が起きず自粛しない場合は感染拡大が抑制されないため、コロナ対策としても不十分である。
まともな法律家は政府にいないのか?
(それとも僕がおかしいのかな。店名公表が妥当だと考える人がいれば、ご意見伺いたいです。)
*1
*2
海賊版への規制強化で逮捕者が出てる件
1.海賊版への規制強化
先日の記事では、違法ダウンロードの対象の拡大について紹介しましたが、それとは別にもう一点、著作権法が改正されていました。
それは、リーチサイトの運営行為を著作権侵害とみなす、というものです。リーチサイトとは、違法アップロードされた著作物(海賊版)へのリンク集を記載したサイトのことです。(だから、公式へのリンク集のみを記載したサイトは、著作権侵害にはなりません。)
男性諸君は若かりし頃、リーチサイトを利用したことがあるのではないでしょうか笑。例えば、Porn○ub内の海賊版へのリンク集を掲載しているサイトを運営する行為は、今回の改正で著作権侵害になってしまいます。(あーでも最近のporn○ubでの削除騒ぎで海賊版は消えたのかな?)
ただ、上記のようなリーチサイトは、インターネット上に星の数ほど存在するので、全員摘発するなんて不可能でしょうし、この改正の情報を見たときは、どうせ何も変わらんだろうな、なんて思ってました。
2.逮捕者でたってよ。
朝日新聞の記事(*1)によると、「海賊版アダルトビデオ(AV)のサイトへ誘導するリンクを張るなどした『リーチサイト』を開設して、視聴できるようにしたなどとして、」著作権法及び名誉毀損の疑いで逮捕されてます。
この逮捕を踏まえると、今回の改正は結構良い(言い換えると、「社会に影響を与える」)んじゃないでしょうか。前回の記事では、違法ダウンロードの対象を拡大しても、閲覧を防げないんじゃ意味がない、と書きました。既存ユーザが、どの程度ダウンロードまでしているのか不明確であるし、おそらく大多数が閲覧のみであると考えると、既存ユーザに影響を与えない改正の効果は薄いのではないか、という趣旨です。
これに対し、今回の改正は、既存の多数のリーチサイトを摘発可能になるため、効果の大きいものだと感じます。
ただ気になるのは、上記の逮捕がディープポルノ(フェイクポルノ)による名誉毀損との合わせ技であることです。むしろ、海賊版のリンクが3件のみであること、リーチサイトの運営のみでの逮捕者が現時点で出ていないことから、名誉毀損のほうが重く見られている気がします。
*1 https://www.asahi.com/articles/ASNCM3SX0NCMPLZB00C.html
海賊版のダウンロードが違法になる件について
この記事は全部私の個人的な感想に過ぎませんので、ご理解ください。
1.海賊版の蔓延
以前、漫画村と呼ばれるサイトが、違法にアップロードされた漫画を公開しているとして、世間を騒がせていました。当初は漫画村へのアクセスを規制する(ブロッキング)等の異例の対応により、著作権侵害の抑制が図られました。
まあ、はるか以前から、漫画に限らず、音楽やプログラム等の著作物は、ファイル共有ソフト等により違法にアップロードされていたのですが、漫画村は大量の利用者を生んだこともあり、改めて大問題になりました。
2.新たな法規制に対する感想
今回は音楽等に限られず、すべて著作物において海賊版のダウンロードが違法化されたのですが、、、。
本当にこの改正で問題を解決できるの?
そもそも、漫画村の利用が問題視された事を発端として改正したのに、結局のところ、ストリーミング型の海賊版サイトの閲覧自体は、違法にはなりません(*1)。pdfファイル等で保存したら、完全にアウトなんでしょうね。
保存までする悪質な人間なんてほんの一部でしょうし、この改正では著作権者の権利を保護するのには不十分だと思います。個人的には、意図せず閲覧した場合等への適用除外を設けつつ、ストリーミングもアウト(要はキャッシュでの保存も複製に当たる)と判断されるのではないか、と予想していたので拍子抜けです。
SNS等では著作権の規制が、(一応)強化されることについて話題になっていますが、まあ何も変わらんのでしょうね。
*1 https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/hokaisei/pdf/92735201_02.pdf
テレワーク中に集中する方法
1 テレワークの導入
コロナが日本で増え始めてから一年しか経ってないんですね。私の日常は一年で全く変わったものになりました。飲み会も帰省も同窓会も旅行もぜーんぶ無くなっちゃいました(;ω;)。外出する人は、だんだん増えているようですが・・・。
特にテレワークが導入されたのは最も大きな変更点ですよね。私なんかは、この一年間で5回も出勤していません。(PCがハングアップしたときぐらい。)
世の中には色々なお仕事がありますが、その中でも知財は最もテレワークし易い業種ではないでしょうか。拒絶理由通知書や公開広報なんかはJ-Platpatを使えば参照できますし、発明者との打ち合わせもビデオ会議で事足ります(構造ものの発明なんかは困るのかな?)。
私の職場では、座席数を減らすなどの措置も取られ始め、仮にコロナが収束したとしてもテレワークは継続するようです。
2 集中できない!
さあ、急に始まったテレワークが最初から円滑に進むわけも無く、特許庁との手続きや知財部との連絡を行ってくれる事務方の部署なんかは、めちゃくちゃ苦労されたそうです(ただただ感謝…。)。
会社の業務フローが混乱する中、特許技術者の仕事は殆ど変わりませんでした笑(初めからテレワークのほうが良かったんじゃ…)。まあ、やることは変わらないですからね。明細書、庁応答書類や、外国の代理人へのお手紙を作成して、品管担当者に送れば良いんです。
そう、問題なんてありませんよ。ただ一点を除いてはね!
その問題とは、、、
全然、集中できねえYO!!!
はい。
テレワーク始まった当初はマジで会社辞めようかと思いました笑。
コロナ前までの家は遊んで休むための空間だったんですよ。そんなところで8時間働けるわけ無いじゃないですか…。
ついでに、電気代は上がるし、新しいPCは買わないといけないし(在宅手当てはゼロ)。
3 突破口
集中できずにいるとストレスがたまって、食事の量は増え続け睡眠も不規則になっていました。
さすがに体重が+6kgになった時点で危機感を覚えて、一回だけ朝にランニングしてみました。
すると、なんか仕事に集中できるんですよ。やっぱ健康にいいんだなあと思いました。でも、僕みたいなグータラ人間が、朝のランニングを続けるのなんて現実的じゃないです(寒いし時間取られるし・・・)。なので、また集中できない日々が始まりました。
せめて健康は維持しなきゃと思って、代わりに筋トレをはじめてしました。これなら、寒くないし、すぐに終わりますしね。
すると、あれ?集中できるぞ?
ランニングのときと遜色無いぐらい集中できるんですよ。たぶん運動時間に関係なく、血流を激しくすると血の巡りが良くなって、脳も活性化するのではないでしょうか。
しかも、暖かい家の中で、15分ぐらいで終わるので、めちゃくちゃ続けられます!
なので、テレワークには筋トレがお勧めです!!
4 特にお勧めの筋トレ
腹筋ローラがやばいです。こいつのおかげで僕の体に革命が起きました。
腹筋って一般的なやり方だと腰が床に擦れて痛くなるところ、腹筋ローラなら床に擦れないので全く痛くないんですよね。(腰は宙に浮いてるもの。)
しかも腹筋ローラの負荷って半端無く高くて、5分ほど休みながらゴロゴロするだけで凄くきついんですよ。だから短い時間で血がガンガン巡ります。
しかも、腹筋が割れます!←これがデカイ!目に見えて直ぐに結果が出るのでモチベーションになります。
(※腹筋ローラの正しいやり方は色々な人が書いてるので調べてみてください。腰を逸らしながらゴロゴロすると、腰を痛めちゃうそうです。あと、筋肉痛が出ている間はその部位の筋トレはお休みしてください。)