知財二等兵の手記

知財業界に入ってそこそこ経過した二等兵のブログです。

知財二等兵の合コン

1 合コンの鬼門

 

 コロナ禍になってから全く無くなりましたが、社会人になったら急に増えますよね、ほら、男女混合型の異業種交流会(合コン)ですよ。

 

 僕の場合なんかは大学の頃の友達と一緒に行って、何とか女性に好印象を与えようと精一杯頑張って盛り上げるわけですよ。そのときに重要なのが自己紹介なのですが。。。

 

 

 知財の仕事って説明し辛すぎ~!

 

 

はい。

 

 

 仕事の説明なんて言ってもしょうがない(というか実際はみんな興味ない)から、取り合えず「メーカーで働いてます!」とか言って誤魔化すのですが、「どんな仕事してるの?」とか言われたら相当困ります。

 周りは、営業でーす!とか、経理です…。とか、SEやで!とか言ってる中で、「あ、知財部です。」っていうと、「は?なにそれ?」みたいな空気が来るんですよね。

 

 そんなときは、総務みたいなモンですよ!、とか、技術者のお手伝いをしてます、とか回答して、話題を変えようとする、いや変われば良いのですが、ちょっと知ってる人から「デザインとかキャラクターのお仕事ですよね」とか言われた場合には、ほんと参ります。

 

 いや知財の概念としては間違ってないのですが、デザインとかキャラクターとか聞くと、他の子達はすごい華やかでクリエイティブなイメージをして、かっこ良い!オシャレーとか持ち上げられちゃうんですよね。そこで頷いてしまうと嘘つきじゃないですか。(実際はオジサンに囲まれながら、一日中PCを触ってるだけだもの…。)

 

2 一般社会における特許の存在感

 

 

 実際どうすれば伝わりやすいのか、未だに答えは無いです。ただ、このことって、特許の存在感の希薄さに起因するものじゃないでしょうか。(そもそも私が説明下手なのは置いておいて。)

 

 営業なり、SEなりって、商品やサービスという形の成果物を、社会に対して提供していますよね。成果物があれば、これを売ってる、作ってるという説明ができ、他人からも価値を認められやすいです。

 

 それに対して、特許の価値って非常に分かりづらい。発明の独占権を得ることによって、他者による自社製品の模倣を防ぐことができるといっても、実際にどの程度の模倣を防いだのかなんて、明確にできません。裁判やライセンス契約になれば、特許の価値は明確になりますが、そこまで辿りつく特許なんて、本当に数少ない一握りでしかないわけで。

 

 よって、大多数の特許はその価値が不明なまま存在しているのが現状だと思います。

 

 こうなると、このコロナ禍の中で、価値の分からない特許なんかにお金を出さずに、他の様々なサービスや商品にお金を出そうと考える人が増えてくるでしょう。会社にとっては特許なんて利益を上げるための一手段に過ぎないですが、この業界で生きる人間にとっては特許に縋らないといけないわけで。

 

 上では縋るなんて書き方をしましたが、実際、発明を独占するという特許の仕組み自体は非常に高い経済的なポテンシャルを持ってると思います。ただ、特許で生きていくためには、このポテンシャルの価値を分かりやすくしていくことが必須なのだと感じました。

 

 (手段はまだ無い。)

 

 

 ・おまけ

 合コンでは詳しく説明するのが最悪のパターンで、いや僕は特許の出願関係の仕事やってます!っていうと、余計に伝わらず、微妙な空気で自己紹介が終わっちゃいます。

 

 国から特許の権利を貰う仕事って言ったら、公務員に間違われたこともあったなあ。